ここは構わないで、湯にでも入ったら可かろうと、湯治の客には妙にそぐわない
世辞を言うと、言に随いて、ではそうさして頂きます、後生ですわ、と膠もなく引退った。
これが精一杯のお
世辞の挨拶だといふやうに、ぶつきら棒に云つた。
玄人と指した場合、玄人が本当に勝負をしてゐるのか、お
世辞に負けたりしてゐるのではないかと云ふことは、頭のいい人なら、誰にでも気になるだらう。
わたくしは、永く永く卿等の芳名を録して——とまで書いてきたとき「お
世辞はもういい加減にして、先を語れ」という声あり。
「お
世辞にもそう云ってくだされば、わたくしの方でも話が仕よいというものです。
こう矢継ぎ早やに尋ねられるに対して、若い監督の早田は、格別のお
世辞気もなく穏やかな調子で答えていたが、言葉が少し脇道にそれると、すぐ父からきめつけられた。
さうして時々彼女の耳に、愛想の好い仏蘭西語の御
世辞さへも囁いた。
これはまつたく秀林院様のお
世辞を好まるる為に御座候。