泳ぎの
上手なMも少し気味悪そうに陸の方を向いていくらかでも浅い所まで遁げようとした位でした。
成年を越したばかりの若武者であったが、兵法の
上手である上に、銅色を帯びた双の腕には、強い力が溢れている。
舞台の
上手に床の間を後に、どんすの鏡蒲団の上に悠然と座っているのは、坂田藤十郎である。
しかしわたしは琵琶法師のように、
上手にはとても話されません。
髪長彦は、大そう笛が
上手でしたから、山へ木を伐りに行く時でも、仕事の合い間合い間には、腰にさしている笛を出して、独りでその音を楽しんでいました。
ここに一人の怠け者があって、それが口を
上手にして縋って来たとする。
お約束のようにヒュードロドロと下座がはいると、
上手のささやぶがはげしくゆれて、のそりのそりと出てきたものは、岡っ引き長助の扮している朝鮮虎です。
それは、よく廻った独楽が完全な静止に澄むように、また、音楽の
上手な演奏がきまってなにかの幻覚を伴うように、灼熱した生殖の幻覚させる後光のようなものだ。
翁曰、これ卑しき心より我
上手なるを知られんと我を忘れたる名聞より出る事也。
この
上手というのは、正当な利益をもたらすすべてのつぼを、それぞれちゃんと知り抜いているといった、技の完全な精通を意味するのである。