主上の作物ながら、女房の手で発表せられるのだから、仮り名として、無名の女房を装はれる様になるのは、自然な道筋である。
併し元来、
主上・家長の健康と、宮室の不退転を呪する用途を持つてゐるものであつた。
その呪術によつて、宮廷の
主上の御為に生ずる効果は、其国々を知る威力を得させ奉ると共に、其守護によつて、健康と富みを併有させ申すことになるのだ。
『御した』というのは、
主上ご食事の砌ご正膳の外に、副膳を奉るのであるが、その副膳のことを称えるのである。
供奉の武将達も、或は河内に、或は伯耆に、北条氏討滅の為にあらゆる苦悩を味った訳であるから、此の日の
主上及び諸将の面上に漂う昂然たる喜色は、想像出来るであろう。