自己が大能力があッたら
乱雑の世界を整頓してやろうなんかんというのが当世の薄ら生意気の紳士の欲望だが、そんなつまらない事が出来るものカネ。
狭い明るい庭に霜にいたんだ黄菊白菊が
乱雑に咲いて居るのがかへつて趣ある風情だつたと覚えて居ます。
ともかく、しかし、あのどろどろの星雲やうの体系以前の
乱雑混濁からの、ゆがんだシボリカスであつたのだ。
乱雑に、しかも無闇と植え込んだその落葉樹が、晩春から初秋にかけては真っ暗に茂るのだった。
又、
乱雑な使用によつて概念が曖昧にされてゐることは、われわれの努力により、これを是正することが出来ると思ひます。
彼は苦が笑いをして暫く私の顔を見詰めていたが、やがて
乱雑に書籍や書類の散らばっている机の上から、小さい三角形の紙片を摘みあげると、私の前に差出した。
水火によごれた往来には、衣類や、せとものや、様々な家財道具が、
乱雑になげだされ、われてやぶれて、ふみにじられ泥にまぶれて、手がつけられないと云ふ有様でした。
そのテーブルの上には教科書その他の書籍を丁寧に重ね、筆墨の類までけっして
乱雑に置いてはない。
表半分雨戸をしめ家の中は
乱雑、座を占める席もないほどである。
目の前にひろげられたのはただ、長いしかも
乱雑な石の排列、頭の上におおいかかるような灰色の山々、そうしてこれらを強く照らす真夏の白い日光ばかりである。