このワグマンという人も奇人で、手を出して雀を呼ぶと、鳥が懐いて手に止りに来たというような
人柄でした。
僕のような素性の悪い負けきらいは、勝負そのものでなしに、相手の
人柄に闘志をもやすので、つまり僕と尾崎が、好敵手なのもそのせいだ。
それは太平の
人柄が外形的よりも精神的に化粧を施されてゐないことに非難と皮肉を浴びせたものだ。
片手に杖は支いたけれども、足腰はしゃんとした、
人柄の可いお爺様。
夫とは違って、貴下はお
人柄でいらっしゃるから、またそうでもない、骸骨さんの方から夜中に出掛けますとなりません。
「おや、あなた」と、リザベッタ老婦人は、この青年の
人柄のひどく立派なのに打たれて、この部屋を住み心地のよいように見せようと努めながら声をかけた。
岡っ引なんていうものは、とかくいやな眼付きをして、なんだかぎすぎすした人間が多いのですが、この甚五郎は商売柄に似合わず、
人柄がおとなしやかに出来ている。
入らつしやいまし、と四十恰好の、
人柄なる女房奧より出で、坐して慇懃に挨拶する。
年は二十を越ゆるようやく三つ四つ、背高く肉やせたり、顔だち凜々しく
人柄も順良に見ゆれどいつも物案じ顔に道ゆくを、出であうこの地の人々は病める人ぞと判じいたり。