長井は弟が名僧の器と人に
仰がれるようになったので、自分の装飾によい都合だと考えた。
二人はまた黙って空を
仰ぐと、消え残った雲のような白い雪が藁屋根の上に高くふわりと浮かんでいた。
(遠い路だ——)
仰ぐと、夜空を四角に切り抜いたようなツルマキ・アパートが、あたりの低い廂をもった長家の上に超然と聳えていた。
山景風光ともにすぐれて明るかつたが、階上のバルコンや寝室から
仰ぐ夜空の美しさも格別であつた。
これらは魔法というべきではなく、神教を精誠によって
仰ぐのであるから、魔法としては論ぜざるべきことである。
右の方を
仰ぐと、赤沢岳が無器用な円頂閣のように、幅びろく突ッ立って、その花崗岩の赤く禿げた截断面が、銅の薬鑵のような色をして、冷めたく荒い空気に煤ぶっている。
窓を開けて
仰ぐと、溪の空は虻や蜂の光点が忙しく飛び交っている。
さもあらばあれ、われこの翁を懐う時は遠き笛の音ききて故郷恋うる旅人の情、動きつ、または想高き詩の一節読み了わりて限りなき大空を
仰ぐがごとき心地す」と。
来る三月二十日は、近代劇の父と
仰がれるヘンリック・イプセンの生誕百年の記念日に相当いたします。
自分は天主閣を
仰ぐとともに「松平直政公銅像建設之地」と書いた大きな棒ぐいを見ないわけにはゆかなかった。