二人が相愛の生活を遂げるために払った
価が、まだ余程高
価なものに思われました。
クロノメートルの
価は僅なものであるが、煙霧の中で船の位置を測定する事が不確実になつては、一大事を惹き起さぬとも限らぬ。
『あのをな子どもはよい
価に売れるわ』と宦官のメンケラが云ふ。
蚊さへなくば夏の夕の月あかき時なんどは、特に川中に一杯を酌みて袂に余る涼風に快なる哉を叫ぶべき
価ある処なりといふ。
その
価は十五両と聞いて、侍はすこし首をかしげていたが、とうとうそれを買うことになって、手付けの一両を置いて行った。
お蝶は上品な美しい娘で、すこし寡言でおとなし過ぎるのを疵にして、若い客をひき寄せるには十分の
価をもっていた。
一度は一磅と云ふ
価の為に買はなかつたが、二度目には友人の Gogin に諮つた上、とうとうそれを手に入れる事が出来た。
此花のすぐれて美しきを見るごとに、人の力といふものも、さて
価低からぬものなるよ、と身にしみてぞ思はるゝ。