此等の菊は梅の肉で保たせると百日にも余つて其の色香を
保つことが出来るものであるから、我等の如き富まぬ者の寒厨からも随時に一寸おもしろい下物を得られるのである。
例へば、さる地位にある人は、其外から来る魂を体に附けなければ、其地位を
保つことが出来ないのだ。
誰でもいふことであるが、身体の安静はまづ
保つことができても、精神の安静を
保つことはなかなかむつかしい。
それでは戦国の世に国を
保つことは思いも寄らぬと言って長歎したと云う。
その消えてゆく運命を荷っている雪達磨のうちでも、日かげに陣取っていたものは比較的に長い寿命を
保つことが出来た。
世相が、まま、熱騰でなければ消沈に傾き易いときに、それに釣り込まれないやう、客観性を平衡に
保つことは私たちに必要なことである。
ことに、彼フルハタが冷凍状態において、完全にその生命を一千年後にまで
保つことができたので、その機械の優秀さは充分にほめていいだろう。
マシユー・アーノルドは、「人生の批評としての詩に於ては、詩の理、詩の美の定法に応ふかぎりは、人生を慰め、人生を
保つことを得るなり」と云へり。
少なくともかなりな程度の健康を
保つことを常に心掛けなくてはならない。
貞淑なる細君は、其の品位を
保つこと、恰も大籬の遊女の如く、廊下で會話を交へるのは、仂ないと思つたのであらう。