口頭詞章を改作したり、模倣したような文章・歌謡は、ことに時代と
個性との理会程度に、古代の表現法を妥協させてくる。
輕妙に見えるユーモアと皮肉との後ろに、作者は
個性と運命とに對する深い洞察と同情とを寄せてゐるではないか。
要は只これらの羈絆と掣肘とを放れて、予は予が独自なる
個性の印象に奔放なる可く、自由ならんことを欲するものなり。
しかし雅号と言ふものはやはり作品と同じやうにその人の
個性を示すものである。
彼の棋風は、「坂田将棋」といふ名称を生んだくらゐの
個性の強い、横紙破りのものであつた。
従来の言説においては私の
個性の内的衝動にほとんどすべての重点をおいて物をいっていた。
個人に就いて觀察しても、一人一人にその
個性がある樣に、國民なり民族なりにも、それぞれ特有の氣質性癖をもつて居る。
だから生活が知れるといふ事は、作者と作物との關係、生活の將來力と
個性の表現傾向などが、長い人生の參考や、暗示や動力になるのです。
○どんなに
個性の強烈な演出者と、どんなに従順な俳優とを結びつけても、俳優が生きているかぎり、彼が文字どおり演出者の傀儡になりきることはあり得ない。