しかし彼が持っている
円滑で自在な魂は、かならずしも、人生の伴侶として特に自分を指名する切実性を持つ魂とは受取れなくなった。
彼は、立身出世に見きりをつけ、たゞ周囲との
円滑な交渉、妻と二人きりの生活の平和を念願として、人生の降り坂を悠々と歩いてゐた。
……多くの見物は、まだ、舞台の上で、人間と云ふ材料が有つてゐる理解と感激の源、
円滑とつゝましさの泉、それを殆ど知らずにゐるのである。
労農露西亜に於ける共産的制度も無知無覚の農民を基礎としては如何に政府の大なる専制力を以てしても
円滑に行はれないのであるに鑑みても明白であらうと思ふ。
創造的勢力は、潮水を動かして、前進せしむるもの、之なくては思想豈に
円滑の流動あらんや、之なくては国民豈に、進歩的生気あらんや。