足利の町へ縁付いている惣領娘にもいくらかの田地を
分けてやった。
そして部屋の真中に陣どって、その石を黒と白とに
分けて畳の上に綺麗にならべ始めた。
九曜星の紋のある中仕切りの暖簾を
分けて、袂を口角に当てて、出て来た娘を私はあまりの美しさにまじまじと見詰めてしまった。
純八、松太郎の二人の者は愈々心に驚いて、益々僧を尊敬したが、
分けても純八は学問好きの為めか僧を懐しくさえ思うようになった。
何卒泥烏須如来に背き奉り候私心苦しさを御汲み
分け下され、娘一命、如何にもして、御取り留め下され度候。
彼に先立つたヨハネさへ「二つの衣服を持てる者は持たぬ者に
分け与へよ」と叫んでゐる。
」——僕はこう考えましたから、梓川の谷を離れないように熊笹の中を
分けてゆきました。
まず牛車を雇って荷物を積み込み、そして道なき山を
分け進んだが、もとより旅館はなく日が暮れると、ごろりと野宿して避難民めいた。
おかしなことと私はその近所を注意して見おろしていると、薄暗い森の奥から下草を
分けながら、道もない所をこなたへやって来る者があります。