とは知らぬ磯貝竜次郎、武者修行に出て
利根の夜船に乗った時に、江戸帰りのお鉄と一緒で有った。
明治十三年晩春、
利根の下流の武州八斗島から、ふゆという嫁を迎えた。
姿は、
利根郡内の川田村地先を流れる
利根本流の曲ツ滝付近で漁れるのが、最も大きいらしい。
谷川岳の南襞に源を発し猿ヶ京を過ぎ茂左衛門地蔵の月夜野で
利根の本流に注ぐ赤谷川で漁れる鰍は、わが故郷での逸品である。
前橋から下流一里ばかりの上新田の
利根河原へ行ったのである。
初夏の夜、しめやかな雨が降ると、東西の微風が訪れて、
利根の瀬音を寝ている私の耳へ伝えてきた。
曰く
利根河畔より解散せられて、帰途に就くや、多くの警官は追尾し来れり。
尤も中川となると夜は淋しい、
利根は猶お更のことだ。