これで先生も使賃をやる事を覚え、又小僧さんも行儀が直つたといふお話で、誠に西洋の小僧さんは狡猾で
怜悧の処がありますが、日本の小僧さんは極穏当なもので。
ママの意図としては、フランス人の性情が、利に鋭いと同時に洗練された情感と
怜悧さで、敵国の女探偵を可愛ゆく優美に待遇する微妙な境地を表現したつもりでしょう。
さて、弥次郎と暫らく起臥を共にして指導してみると、彼の天性
怜悧であり、信義に厚く、信仰は又熾烈である。
又かういふ親子ばかりだと、世の中は平和に面白く行くわけなんだが、事実かゝる
怜悧な親達も子供達も少いものである。
唯だ何れも未開の国で野法図に育つたお庇に歴史に功蹟を遺すだけに進歩しなかつたが其性質の勝れて
怜悧で勇気のあるのは学者に認められておる。
お洒落でつつましやかで、おとなしくてお済しで、群っていても実は孤独で、おっとりしていてもなかなか
怜悧で。
今の私には、その氣持ちがかなりはつきり理解できるが、當時は、それを
怜悧な保身術と解し、京阪の人間としての本性と結びつけて考へない譯にいかなかつた。