○「自分ながら
利口過ぎるのが鼻につくから、少し馬鹿になる稽古をしようと思うんだけど。
フランス人に言わせるとこの方が生活にも人生にも
利口なやり方だと言う。
女は容貌も好く、人間もなかなか
利口であるので、主人の耿にも眼をかけられて、無事に一年余を送った。
だのに、餌を見せながら鳴き叫ばせつつ身を退いて飛廻るのは、あまり
利口でない人間にも的確に解せられた。
元来、久政は長政十六歳のとき、家老達から隠居をすすめられて、長政に家督を譲った位の男故、あまり
利口でなく、旧弊で頑固であったに違いない。
とにかく光秀は、私憤を晴すと共に、天下を計ったに違いなく、私憤だけなら、光秀ほどの
利口な武将が、どうにか理窟をつけて、辛抱出来ない筈はないのである。
「これは名を嗅げと言って、どんな遠い所の事でも嗅ぎ出して来る
利口な犬だ。
この最後のものは非常に大きな美しい動物で、体じゅう黒く、驚くほどに
利口だった。