そう早くもない時
刻だが、どの小路もひっそりとして、時々朝帰りの客が、きまり悪そうに肩をすぼめてふらふらと通り過ぎる。
もう電車がなくなる時
刻だな、とか、家へ帰れなくなるなア、などと口先では言ひながら、庄吉は落着き払つてゐて、帰れなくなることを予期してゐる様子であつた。
恰も其心を瞬
刻の言と思とにこめたやうに云ふのである。
四月三十日の未の
刻、彼等の軍勢を打ち破った浅野但馬守長晟は大御所徳川家康に戦いの勝利を報じた上、直之の首を献上した。
「それを知っていたら、今もう何
刻だと思ってるんだ。
……お前嘘だったらひどいぞ」と念を押しながら、まだ十二時過ぎたばかりの時
刻だったので、小僧と警察へ同行することにした。
『姉さんは今時分いつでも家にいるはずでしょう、あなたのおけいこの時
刻だから。