ハークマのお母さんの死んだ時もそうであったと
叙べている。
而も、此二篇とも、旅行の印象を
叙べる側に、著しく進んで来た事を示してゐる。
いまごろ、この二幽人は三途の川の土手あたりで久濶を
叙しながら、互いに微苦笑を交していることであろう。
この小説は単にこの可憐な恋愛を
叙してゐるのみでなく、当時狂人となつてゐた国王の Ludwig 二世と、その侍医であつた Gudden との事件をも配してゐる。
大田蜀山人の「壬戌紀行」に木曾街道の奈良井の宿のありさまを
叙して「奈良井の駅舎を見わたせば梅、桜、彼岸ざくら、李の花、枝をまじえて、春のなかばの心地せらる。
諸氏は男が女の許へ帰るが否や、どんなにか二人の間に劇的な、再会のよろこびが
叙されたかを想像することでせう。
人情の機微を穿つとか、人間と人間の関係を忠実に細
叙するとかいうのも、この世の中の生活様式を其の儘肯定しての上のことである。
予が生存すべき僅少なる時間は、直下に予を駆りて、予が殺人の動機と実行とを
叙し、更に進んで予が殺人後の奇怪なる心境に言及せしめずんば、已まざらんとす。