僕が始めて豊島与志雄と云う名を知ったのは、一高の校友会雑誌に、「褪紅色の珠」と云う
小品が出た時だろう。
なるほど指摘されて見ると、呉春の
小品でも見る位には思えるちょっとした美がある。
粗末な力作は、愚劣な
小品より罪が重いのであるが、見事な大作は、片々たる傑作よりも声を大にして褒めたくなるのが人情だ。
小説家 これはどうですか? まあ、体裁の上では
小品ですが、——
しかし百間氏の
小品が面白いのは、さう云ふ中味の為ばかりではない。
唯、母親が其処へ行くと、声だけ聞えたと云ふなどは、一二枚の
小品だがあはれな気がする。
僕は以前架上の書籍を買ひ入れた年月の順に記し、その書籍の持ち主の一生の変化を暗示する
小品を書いて見ようかと思つた。
就中「病牀六尺」中の小提灯の
小品の如きは何度読み返しても飽かざる心ちす。