しかも已にかたき討をしてしまった者に対しては別に
咎めるようなこともなかったから、やはりかたき討は絶えなかったのである。
ストリンドベルヒも同断であり、モリエールの喜劇の面白さによつてモリエールを
咎める史家は先づないだらう。
偶然の戯れが産んだ三つ児を二組紹介しても別に誰も
咎める者はないだろう。
随分奇異な先生ぶりではあったろうが、何も当面を錯過するのでは無く、寸暇の遊心を聖道に運んでいるのみであるから、
咎めるべきにはならぬことだったろう。
或は人あっていうかも知れない、手段に於て非であろうとも、その目的の革新的なる事に於て必ずしも
咎めるをえないと。
そう思うと、いくら都踊りや保津川下りに未練があっても、便々と東山を眺めて、日を暮しているのは、気が
咎める。
斯の真昼中、私達の鼻の先で行はれたことを写して、どうしてそれで斯う自分の気が
咎めるだらう。
「そういう手前こそ何者じゃ! 厳寒であろうと深夜であろうと、用事あればどこへ参ろうと随意じゃ! 他人を
咎めるに先立って自ら身分を宣らっしゃい!」
それに、元来作家なんてものは、すべてこうしたことはいっさい関係しないものなんだよ」笹川はこう、彼のいわゆる作家風々主義から、
咎めるような口調で言った。