「甘いものを食べてさ、がりがり
噛って、乱暴じゃないかねえ。
教課書や教師のレクチユアルばかりに
噛り付いて参考書を読まぬやうな学生は駄目だ。
そういって私は、前の卓子に
噛りつく真似をしてみせた。
もう検屍も済んだと見えて、警察の一行は引挙げて了い、只五六人の菜ッ葉服が、屍体に
噛り付いて泣いている細君らしい女の姿を、惨ましそうに覗き込んでいた。
そこへまた彼は膝の上の新聞紙包みを拡げると、せっせとパンを
噛じり出した。
故里を去る時には、その意志を貫かないうちは、石に
噛りついても帰らないはずであった。
かう云ふ言葉が使へるのは、現に白墨を
噛じつてゐる露西亜の子供があるばかりだ。
石に
噛りついてとはこの事だと、やがて彼等は綱でからだを縛って、絶壁を下りて行った。