ぼんの窪のちぢりっ毛や、の太い率直な
声音、——これ等も打撃だ。
その
声音までが同じであるので、婿の家も供の者も、どちらが真者であるか偽者であるかを鑑別することが出来なくなった。
いやそれよりも一層驚かされたことは、この死刑囚の
声音がすっかり違って仕舞ったことと其の話の中に盛られた内容なり考えなりが全く別人のようになっていた。
「はい」少女はわざと、いふことを素直に聴く良い子らしい
声音を装つて返事しながら立派に大きく両手を突出した様子が蔦の門を越した向うに感じられた。
それでいて眼光や
声音から想像すると、まだ五十になったかならないか位らしい。
彼の声はそんなに大きくはなかったが、お座なりの会話を見抜いて、鋭利なナイフでそれを断ち切るような独特の
声音であった。
怪しい
声音がいろいろのくらやみから聞え出す、それにあの風の音よ。
声音は人耳も怡ましむる者にして其の種は千差万別なるも竟に亦抑揚下緩急疾徐の相調和するに外ならず。