白い鳥の羽で製つた団扇を、時々
大事さうに使つてゐる容子では、多分、儒者か何かにちがひない。
女隠居はこう云う清太郎よりも雪さんを
大事にしていたらしい。
すると隣の金三が汗ばんだ顔を光らせながら、何か
大事件でも起ったようにいきなり流し元へ飛びこんで来た。
これが
大事な胚子となって、あのすばらしい世界革命がひき起こされたのだ。
人間には誰にもこの本能が
大事に心の中に隠されていると私は信じている。
芭蕉は
大事の俳諧さへ「生涯の道の草」と云つたさうである。
どちらにしても時代はさして、この話に
大事な役を、勤めてゐない。
その又包みを抱いた霜焼けの手の中には、三等の赤切符が
大事さうにしつかり握られてゐた。
お前たちは生れると間もなく、生命に一番
大事な養分を奪われてしまったのだ。