オレが一心不乱にやれば、オレのイノチがオレの造る寺や仏像に
宿るだけだ」
が、
宿りつつ、そこに虎杖の里を彼方に視て、心も足も運べない時の儚さにはなお堪えられまい、と思いなやんでいますうちに——
其時には、山の中の神の
宿る木を見つけて、其木に神の魂を載せて帰る。
あるは、形を具へて出て来る、即、あれいづであるが、なるは、初めから形を具へないで、ものゝ中に
宿る事に使はれて居る。
不思議な事には、その夢をみた翌日にはかならず雨が降るので、僧も怪しんでそれを諸人に語ると、清浄の仏寺に龍が
宿るというのは、さもありそうなことである。
私はこの善と悪とに感じる力を人間の心に
宿る最も尊きものと認め、そしてこの素質をさながら美しき宝石の如くに愛で慈しむ。
自然の心に
宿る歡喜にして若し歌ふべくんば、自然の心にさゝやく悲哀も亦た歌ふべきであらう。
が、
宿りつゝ、其處に虎杖の里を彼方に視て、心も足も運べない時の儚さには尚ほ堪へられまい、と思ひなやんで居ますうちに——
自然の心に
宿る歓喜にしてもし歌うべくんば、自然の心にささやく悲哀もまた歌うべきであろう。