「しかし前の部屋よりは、広くもあるし
居心も好いし、不足を云う理由はないんだから、——それとも何か嫌な事があるのかい?」
これは山里村
居つきの農夫、憐みの深いじょあん孫七は、とうにこの童女の額へ、ばぷちずものおん水を注いだ上、まりやと云う名を与えていた。
僕は時々
居睡りをし、はっと思って目を醒ます拍子に危く香炉を落しそうにする。
瘤の中にさえ竜が
居たなら、ましてこれほどの池の底には、何十匹となく蛟竜毒蛇が蟠って
居ようも知れぬ道理じゃ。
その時負うたのが、「行けと云うなら、行かぬでもないが、その代り、その方はわしの帰るまで、待って
居れよ」と云う呪である。
「イヤ至極面白いんだ、何かの話の具合で我々の人生観を話すことになってね、まア聴いて
居給え名論卓説、滾々として尽きずだから」
始めはちよいと
居睡りが見つかつて、叱られたかと思つたが、見ると先生は、マクベスの本をふり廻しながら、得意になつて、門番の声色を使つてゐる。
その中でも哀れをとどめたは、兄弟のやうにして
居つた「しめおん」の身の上ぢや。
葡萄蔓かとも見ゆる髪の中には、いたいけな四十雀が何羽とも知れず巣食うて
居つた。
三男は
居どころが遠い上に、もともと当主とは気が合はなかつたから。