遠方からそこを望遠鏡で覗いた者の話によると、人間の白骨ばかりでなく、時々紛れ込んで来る熊や鹿や其の他の動物の
屍や骨が夥しく死の谷の中に散見するそうである。
そして帆村を離すと、ベリベリと音をさせて、われとわがワイシャツを裂きその間から
屍のように青白い胸部を露出させた。
どこかそのあたりに、今にも
屍の匂いがプーンとして来そうに思われた。
終戦直後はみんなが生ける
屍のように虚脱状態にあったので、ほんとうにうっかり処分されてしまったのかも知れなかった。
歩いている中に、彼は大きな蜻蛉の
屍が足先に落ちているのを見つけた。
われわれが小山内先生の
屍を乗り越えて前進する時、はじめて洋々たる未来がわれわれを迎えるであろう。
そして倒れるときに、彼女の
屍衣がなにか内側に突き出ていた鉄細工に絡まった。
彼堆く積める蛇の
屍も、彼等將に去らむとするに際しては、穴を穿ちて盡く埋むるなり。
否、一代のうちでも、家に死者が出來れば、その家は汚れたものと考へ、
屍を放棄して、別に新しい家を作つたのである。