「夏」は繁りはびこる
岸辺の白樫の柯葉の隙間に沸白の渓流が透かし見え、岩の上に鶺鴒が尾を動かすところである。
このほど、最上川の支流小国川の
岸辺から湧く瀬見温泉へ旅したとき、宿で鰍の丸煮を肴に出してくれた。
窓越しに見る雪の海、深碧の面が際限もなく皺立つて、車輛を洗ふかと許り
岸辺の岩に砕くる波の徂徠、碧い海の声の白さは降る雪よりも美しい。
露子にはピアノの音が、大海原を渡る風の音と聞こえたり、
岸辺に打ち寄せる波の音と聞こえたのであります。
ここの
岸辺には緑の蔭ふかく、哀笛調高し、幽草の香薫ずる真夜中忽ちに華やかなる曙の光を瞻るが如きここちす。