たゞもう、自分の小説に都合よく、デクノボーみたいに、あっちへ曲げこっちへヒン向け、有りうべからざる人間心理をデッチあげて、
平然たるものである。
顔がレッテルの映画俳優にまで、ニセモノがいるそうだから、文学雑誌に写真ぐらいでたって、ニセモノ氏は
平然たるものなのである。
と、呼びかけた公卿のほうでも、あえて突っ込んでとがめようとはせずに、これも
平然たる態度と口調で、
医学士はと、ふと見れば、渠は露ほどの感情をも動かしおらざるもののごとく、虚心に
平然たる状露われて、椅子に坐りたるは室内にただ渠のみなり。