人間性の省察は、夫婦の関係に於ては、いはゞ鬼の目の如きもので、夫婦はいはゞ、
弱点、欠点を知りあひ、むしろ欠点に於て関係や対立を深めるやうなものでもある。
秀吉は意志で
弱点を抑へてゐた、その自制は上り目の時には楽しい遊戯である。
彼は自分の人間的
弱点に道徳的に、又は責任感や義務感などから、抵抗する。
人間の
弱点を取り扱う商売であるだけに、探偵小説の中にまで“さん”の字をつけて呼ばれるのである。
今日の軍人政治家が未亡人の恋愛に就いて執筆を禁じた如く、古の武人は武士道によって自らの又部下達の
弱点を抑える必要があった。
各人物の言葉に盛られた感情なり思想なりが、その心理的境遇の推移と歩調を合せてゐない、これは劇的作品の致命的
弱点であらうと思ひます。
何にもせよ、母の晩婚の理由がその容貌上の大
弱点にあったことは確かだと思う。
かの海老茶袴は、最もよくこれ等の
弱点を曝露して居るものといわねばならぬ。
それは自分の
弱点を暴露するのが恥かしくて、他人に捜索を頼まうと云ふ決心が附かぬからである。
時代の
弱点を共有しているという事は、如何なる場合の如何なる意味に於ても、かつ如何なる人に取っても決して名誉ではない。