「扨誠にどうもモウ此度は
御苦労様のことでございます、実に何うも云ひやうのない貴方は冥加至極のお身の上でげすな。
「お前、
御苦労だが、いつものとおり、本堂の方を見まわって来てくれないか」
「どういたしまして、誰方も
御苦労様、御免なさいまし。
いふまでもなく、それゆゑ以上のラブレター文範はその男性が
御苦労様にも、そのある女に自分から書いて示したものであります。
たまには一人ぐらゐ、せめて「
御苦労様」とでも、云つてくれる人間があつてもよさゝうなものだのに、これはまたなんといふ世智辛い世の中ぢや。
「古屋君、それじゃ
御苦労だが、『信濃町』の午後四時から五時までの下車客を、例の規準にしたがって記録してくれ給え。