——私はその氣持には純粹に嘘を
忌むといふ氣持もあるにはあつたらうが、それよりももつと私に應へるのは弟に私の戲畫を見せられることであつた。
一体に、わが国の古典文学には、文学本来の面目として現実を有りの儘に写実することを
忌む風があつた。
すると小使は、自分の言葉を
忌むように二、三度首を横にふりながら、
単に西洋のものは「西洋的」としてこれを
忌むといふ風であると、われわれの考へるいろいろな方向が暗澹として来る次第で、こゝにも十分な反省が必要であります。
古典主義者たるべく、あまりに規範を厭ひ、近代主義者たるべく、あまりに刺戟を
忌むといふ類ひの人間である。
是等の類同なる諸点あるが故に、同性相
忌むところよりして、詩家は遂に綢繆を全うする事能はざる者なるか。
其実一般の婦人が
忌むべく、恐るべき人生観は、婚姻以前にあらずして、其以後にあるものなりとす。
それは人間としての素質の低卑の徴候であって、青年として最も
忌むべき不健康性である。
(叡智にとりてあまりに鋭敏すぎるほど
忌むべきはなし)
されば爰に
忌むべく恐るべきを(おう)に譬へて、假に(應)といへる一種異樣の乞食ありて、郷屋敷田畝を徘徊す。