夫婦は愛し合ふと共に憎み合ふのが当然であり、かゝる
憎しみを怖れてはならぬ。
その弟の後の天武天皇が兄の天皇の
憎しみを怖れて吉野に逃げたのも、この勢力の支持を当にしてのことであつた。
この物語の中の人たちは、金と女、愛と
憎しみ、罪や汚れに困りぬいている。
憎しみは人間の根本的な感情とされているが、時代の推移とともに変わってきている。
『三国志』に於ける憎悪、『チャタレイ夫人の恋人』に於ける憎悪、血に飢え、八ツ裂にしても尚あき足りぬという
憎しみは日本人には殆んどない。
その憐みは、寛大な愛の萌しにはならなかつたが、少くともあなたを単なる
憎しみの心から救つたに違ひない。
が、時間の移るにつれ、だんだん無愛想な看守に対する
憎しみの深まるのを感じ出した。
事によると、李が何にでも持っている、漠然とした反抗的な心もちは、この無意識の
憎しみが、原因になっているのかも知れない。
あなた方の行動は、怒りや
憎しみで穢されない、最も純潔な犧牲である。