自分に対して甚しく
憎悪でもしているかとちょっと感じたが、自分には何も心当りも無い。
『三国志』に於ける
憎悪、『チャタレイ夫人の恋人』に於ける
憎悪、血に飢え、八ツ裂にしても尚あき足りぬという憎しみは日本人には殆んどない。
私の父が、いろいろな
憎悪の中から、勝負事だけを、何故こんなに取り分けて戒めたかということは、私が十三、四になってから、やっと分かったことなのです。
彼は敵に対する
憎悪を自分で奮い起しながら、またまた二年に近い間、畿内の諸国を探し回った。
それからまた以前よりも、ますます肥って来た牧野の体が、不意に妙な
憎悪の念を燃え立たせる事も時々あった。
お君は刑務所からの帰りに、何度も何度も考えた——うまい乳が出なかったら、よろしい! 彼奴等に対する「
憎悪」でこの赤ん坊を育て上げてやるんだ、と。
しかし山口君は、その前年皆が大合同で日刊平民新聞をやっていたころから、いくばくも立たないうちに入獄したので、この
憎悪、反感の的からはずれていた。
われわれの要求する文芸は、かの事実に対する
憎悪美と叛逆美との創造的文芸である。
そしてジン酒におだてられた悪鬼以上の
憎悪が体のあらゆる筋肉をぶるぶる震わせた。