のみならず、生れつき
手先が器用だから、自分で仏像をきざむ、倅の五忘には小さい時から仕込んだから、親子鼻唄マジリで年に二十体も仏像を刻めば大そうなミイリになる。
額に翳した右の
手先と、左の腰盤に当てた左の手首の釣合いが、いつも天候を気にしている職業人のみがする男型のポーズを小初にとらせた。
手先が器用でないといふ云ひ逃れをしばしば聞いたけれども、それよりも、娘時代になんでもなくさういふ仕事の訓練を受けてしまはなかつたからである。
文久三年正月の門松も取れて、俗に六日年越しという日の暮れ方に、熊蔵という
手先が神田三河町の半七の家へ顔を出した。
半七は一年ばかりその
手先を働いているうちに、彼の初陣の功名をあらわすべき時節が来た。
明日の授受が済むまでは、縦令永年見慣れて来た早田でも、事業のうえ、競争者の
手先と思わなければならぬという意識が、父の胸にはわだかまっているのだ。
水に垂れし枝は女の全身を隠せどなおよくその顔より
手先までを透かし見らる。