ちえ子さんは机の隅から見ていますと、女の児はさもうれしそうに可愛らしい眼で自分を見ておりましたが、やがて算術の
手帳を出しておけいこを初めました。
折角の御頼みだが、僕は十数年来の日記帳
手帳の大半を東京の震災で失つたからパンの会の詳しいことはいま確実に思ひ出すことが出来なくなつた。
こうなると、芝居の方は二の次になって、わたしは袂に忍ばせている
手帳をさぐり出すことになった。
わたしは懐中の
手帳をさぐり出して膝の上に置くと、その途端に老人は眼をあいた。
ずるそうな青年は、ああ
手帳を持って来ればよかったという思入れ、すぐに老人のあとに付いてゆく。
そのうちにこんな話が出て、わたしの
手帳に一項の記事をふやした。
彼は物事に拘泥しない性質で、十数年の警察生活の後現在の新聞社長の椅子につくまで、いろ/\の出来事を
手帳に書き留めたり、書類の整理をしたりした事は殆どなかった。
銀行から歳暮によこす皮表紙の懐中
手帳に、細手の鉛筆に舌の先の湿りをくれては、丹念に何か書きこんでいた。
薩摩なまり、東北なまり、茨城弁など、数多の看守が立ちかわり入れかわり、同じようなことを幾度となく聞きただしては
手帳につけて行く。