六合目——宝永の新火口壁(いわゆる宝永山)まで来ると、さすがに高嶺の冬だと思われる冷たさが
手足の爪先まで沁みて来る。
そうだ! 小北の許へ行かねばならぬ——と思うと、のびのびした
手足が、きりきりと緊って、身体が帽子まで堅くなった。
それも酒で体が利かないと見えて、時々はただ、中心を失って舷から落ちるのを防ぐために、
手足を動かしているとしか、思われない事がある。
彼は
手足の砂を払うと、やっとずぶ濡れになった体を起して、仲間の若者たちの方を眺めやった。
だだっぴろく……うんと
手足を空に延ばした春の桜が、しゃんら、しゃらしゃらとどこかへ飛んで行ってしまった。
それから水船のそばへたくさんの小桶をならべて、真っ赤にゆでられた胸や
手足を石鹸の白い泡に埋めていた。
いかに自由で、いかに
手足の言うことを利くような日が、復た廻り廻って来たろう。
まいて
手足はさながら深山の松檜にまがうて、足音は七つの谷々にも谺するばかりでおぢやる。
此莊園でラクダルはゴロリと轉がつたまゝ身動もろくに爲ず、
手足をダラリ伸したまゝ一言も口を開かず、たゞ茫乎と日がな一日、年から年中、時を送つて居るのである。
予の
手足と予の体躯は、訳の解らぬ意志に支配されて、格子戸の内に這入った。