……しかしふと
指に触れたズボンの底の六十何銭かはたちまちその夢を打ち壊した。
「その
指繊長にして、爪は赤銅のごとく、掌は蓮華に似たる」手を挙げて「恐れるな」と言う意味を示したのである。
手は青珠の「こんたつ」に
指をからめたり離したりしている。
ただ、咄嗟の際にも私の神経を刺戟したのは、彼の左の手の
指が一本欠けている事だった。
どうかすると、顔の位置を換えるだけでは、安心が出来なくなって、頬杖をついたり頤の先へ
指をあてがったりして、根気よく鏡を覗いて見る事もあった。
こう思いながら、内蔵助は眉をのべて、これも書見に倦んだのか、書物を伏せた膝の上へ、
指で手習いをしていた吉田忠左衛門に、火鉢のこちらから声をかけた。
こつちも黙つて、ろくすつぽう見もしないで、そのなかのどれかこれかを、
指の頭でおす。
さればその日の糧を猟らうにも、鹿熊なんどのたぐひをとりひしぐは、
指の先の一ひねりぢや。