二階の南室の窓からは、成る程医師の云う通り、川口亜太郎の
描き残した写生画と寸分違わぬ風景が明かに眺められた。
すると、たとい写実派の川口でも、時には写実を離れて頭だけで
描くこともあろうではないか、と金剛蜻治が横槍を入れた。
東京の留守宅の半面図を
描くことも、日本からヱジプトまで来た私の足跡を地図に
描くことも出来た。
気違いででもなければ、誰がこんな色の画を
描くものですか。
今のうちに、自分のものを
描き残して置きたいと思います。
世の中が急激に移り変ってゆくのを眺めるとき、わたくしには、余計にあの頃の風俗をのちのちの人のために
描き残したい念願がつよまるのである。
そして私は母が姉であり得るような空間や妹であり得るような時間を、空を見るときや海を見るときにいつも想い
描くのだった。