よし単調な色彩であっても、そこに一種云うべからざる魅力と、奪うべからざる力を
描出し得ると思う。
小町の
描出を普通の人物に扱ったものですから、画面の小町は壺織の裲襠に緋の大口を穿っているのは、能楽同様な気持ですけれども、その顔には面を着けてはおりません。
清十郎既に人を殺して勘十郎の見出すところとなり、家の内外に大騒擾となりたる時にお夏は狂乱したり、其狂乱は次の如き霊妙の筆に
描出せらる。
トルストイ伯は理想派詩人にはあらず、彼は理想を抱ける実際派なり、何となれば彼が写すところ、公平無私に農民の状態を
描出し、其欠所を隠蔽することを為さゞればなり。
その光景は、當時の陶宗儀の『輟耕録』に委細に
描出されて居る。