万葉人の時代には以前ともに
携えて移動してきた同民族の落ちこぼれとして、途中の島々に定住した南島の人々を、すでに異郷人と考えだしていた。
その実、彼等は
携えて来た光輝ある石を示して帝を催眠術にかけ、まんまと欺いたのである。
右の手に黒革の折鞄、俗にいわゆる往診鞄を
携えているのは、言わずと知れたお医者さんである。
一通りの検査を終った探偵は、直ちにアンダーウッド・タイプライター商会の支配人アレンを訪ねて、
携えて行った包紙の文字を鑑定してもらった。
しかし彼はある時、強盗たちに
携えていた鞄を狙われて、さんざんな目に逢い、それ以後心臓を悪くして、いつ何時たおれるかも知れぬ身体となったのである。
子供達は、喜び、うめき声を出したりしながら、互いに手をかきむしり合って、
携えて来た琺瑯引きの洗面器へ残飯をかきこんだ。
ただ今はそのほかにも御覧の通り、弓矢の類さえ
携えて居ります。
と云うと、三番目の娘露子は、
携えて来た彼の奇妙な箱を室の隅から持出し、
ロシヤの盲目詩人エロシンコ君が、彼の六絃琴を
携えて北京に来てから余り久しいことでもなかった。