博士は、把手から手を
放すと、手をあげて、禿頭をガリガリと掻いた。
当分、片手に武器を
放すわけに行かぬと同時に、もう一方の手を自在に働かすことが必要である。
彼は髯から手を
放すと、やや反り身になって、鼻の高い、眼光の鋭い顔を時々ちらりと眺めながら、勢いよく手真似をして、しゃべり出した。
それは黒と白と市松模様の倭衣を着た、容貌の醜い一人の若者が、太い白檀木の弓を握って、時々切って
放す利り矢であった。
中には異人が魔法を使うの、狐を使うの、鼠を
放すのと、まことしやかに云い觸らす者もある。
水に至っては、淡々として無味、何人も手を
放すことの出来ない必要品であるごとくに、彼の通信は待ちこがれる水であったのである。
「われ、その仔はらみも
放すつもりか?」と、眼をしょぼしょぼさし乍らきいた。
「つまり眼の縁だけ燐光を
放す昨夜あらわれた怪獣と、去月十日にあらわれた全身に燐光を
放す獣と、都合二匹というのだろうね……君もなかなか眼敏くなった。