昼間でも草の中にはもう虫の音がしていましたが、それでも砂は熱くって、裸足だと時々草の上に駈け上らなければいられないほどでした。
が、
昼間舟の在り処を見定めて、夜行って見ると、舟は何人かが乗り去ったとみえて影もなく、激しい怒涛が暗い岸の砂を噛んでいるだけだった。
旦那の牧野は三日にあげず、
昼間でも役所の帰り途に、陸軍一等主計の軍服を着た、逞しい姿を運んで来た。
夜ふけの二条の城の居間に直之の首を実検するのは
昼間よりも反ってものものしかった。
昼間見ると、その鴉が何羽となく輪を描いて、高い鴟尾のまわりを啼きながら、飛びまわっている。
そこは入り込んだ町で、
昼間でも人通りは少なく、魚の腹綿や鼠の死骸は幾日も位置を動かなかった。
昼間気のつかなかった樹木が異形な姿を空に現わした。
元来この倶楽部は夜分人の集っていることは少ないので、ストーブの煙は平常も
昼間ばかり立ちのぼっているのである。
部屋の中は、障子も、壁も、床の間も、ちがいだなも、
昼間のように明るくなっていた。