私は飲んだくれだが、杯も徳利も持たず、ビールの
栓ぬきも持つてゐない。
雲を呼んでくれと博士にいえば、博士はそこに並んでいる壜の
栓を片端から抜く。
酸素問題は、酸素のボンベをもっていって、いよいよ苦しくなったら、
栓をひらき、酸素をゴム管で出し、それを口にくわえるとか鼻にあてるとかする。
「……月の光にすかし見れば、銀貨だと思つたのはビールの
栓であつたあ……」といふやうな歌につれて、書生は、いまいましさうに、そいつを投げ棄てる。
其影の暈のやうに見える所を、長い間ぢつと見てゐると、ぢき側に球の形をした
栓の木の浮標が見える。
それは人びとの喧噪のなかに囲まれているとき、両方の耳に指で
栓をしてそれを開けたり閉じたりするのである。
頭が奇麗に禿げていて、カンカン帽子を冠っているのが、まるで
栓をはめたように見える。
風呂敷を解いて小さい徳利を取出して、
栓の堅いのを抜きまして、首を横にしてタラ/\/\と彼是れ茶椀に半分程入れて、
身体じゅう真黒な人が老
栓の前に突立って、その二つの眼玉から抜剣のような鋭い光を浴びせかけた時、老
栓はいつもの半分ほどに縮こまった。