その由来については、牛蒡の種に小さい
棘があって、よく物にひっつく様に、この人々は容易に他人にひっ憑くから、それでこの名を得たのだと言われている。
京子はそれに反撥する弾条仕掛けのような
棘げ
棘げしい早足で歩きながらお民を振り返った。
涙の出るまで真佐子は刺し込まれる言葉の
棘尖の苦痛を魂に浸み込ましているという瞳の据え方だった。
薄い毛織の初夏の着物を通す薔薇の
棘の植物性の柔かい痛さが適度な刺戟となつて、をとめの白熱した肢体を刺す。
その小径は、毛莨や釣鐘草や簪草などのひ弱い夏花や、鋭い
棘のある淫羊※、空木などの丈低い草木で覆われていて、その入口でさえも、密生している叢のような暗さだった。