下人はそこで、腰にさげた聖柄の太刀が鞘走らないように気をつけながら、藁草履をはいた足を、その梯子の一番下の
段へふみかけた。
そうしてその入口の両側には、見上げるような大書棚が、何
段となく古ぼけた背皮を並べて、まるで学問の守備でもしている砦のような感を与えていた。
入口の、幅の広い石
段の一番下の
段に家来が立つてゐる。
下人は、そこで腰にさげた聖柄の太刀が鞘走らないやうに氣をつけながら、藁草履をはいた足を、その梯子の一番下の
段へふみかけた。
これらについても十分の研究なり覚悟なりをしておくのが、事の順序であり、必要であるかもしれないけれども、僕は実にそういう
段になると合理的になりえない男だ。
今般、当村内にて、切支丹宗門の宗徒共、邪法を行ひ、人目を惑はし候儀に付き、私見聞致し候次第を、逐一公儀へ申上ぐ可き旨、御沙汰相成り候
段屹度承知仕り候。
そう西山は大きな声で独語しながら、けたたましい音をたてて階子
段を昇るけはいがしたが、またころがり落ちるように二階から降りてきた。
この唐紙の左右の壁際には、余り上等でない硝子戸の本箱があつて、その何
段かの棚の上にはぎつしり洋書が詰まつてゐる。