蟹は武装して、鋏のごとき
刃をつけたる長刀を携えたり。
美少年はものをも言はで、直ちに鋸の
刃を返して、さら/\と削り落すに、粉はばら/\とあたりに散り、ぢ、ぢ、と蝉の鳴きやむ音して、焼砂に煮え込みたり。
為恭は、この絵を寺に留めて置いて、出かけた旅で、浪士の
刃に、落命したのであつた。
かれは剣術と拳法に精達しているばかりか、肌をぬいで端坐していると、
刃で撃っても切ることが出来ず、堅きこと鉄石の如くであった。
敵が青龍刀を僕の頭上にふりあげたとしても、僕はその
刃が落ちて来るまでの僅かな時間にまでも希望を継ぐことであろう。
しかし、私個人としては、必ずしも、何々主義の旗を振り翳して、何々主義に
刃向はうとは考へてをらぬ。
為恭は、この絵を寺に留めて置いて、出かけた旅で、浪士の
刃に、落命したのであった。
と興に乗じた隊長は斜な陽を、
刃疵のある片頬に浴びながら、あぶみを踏んで一膝のり出した。
なかでも、わたくしの老いたる母は、どんなに絶望の
刃に胸をつらぬかれたであろう。
爲恭は、この繪を寺に留めて置いて、出かけた旅で、浪士の
刃に、落命したのであつた。