「偉大なる大大阪の市民諸君、私はこのたびこの大大阪の市長として席を
汚すことになりました。
恥あれ! 恥あれ! かかる下等な奴等に! そこにはあらゆるものに賭けて
汚すことを恐れた私達の魂があつたのだ。
昔、四十七士の助命を排して処刑を断行した理由の一つは、彼等が生きながらえて生き恥をさらし折角の名を
汚す者が現れてはいけないという老婆心であったそうな。
で其の結果は私の文芸上の作品を大変に
汚す事になり自己矛盾に陥つて苦んで来たのである。
好い著物は
汚すといけないからつて、お富どんがみんな鞄の中へ納つてしまつたんでせう。
「汝はなんすれぞ斯くの如く空に憑って人の清白を
汚す」