仕事の用で旅にでることが多いので、その期間の新聞を読み
損うことが少くない。
種吉の天婦羅は味で売ってなかなか評判よかったが、そのため
損をしているようだった。
役でない役を仰せつかって、七、八百両みすみす
損をする。
存外遅れずにすんだものだ、——中村はこう思ううちにも、ほっとすると言うよりは
損をした気もちに近いものを感じた。
かりに、これを借りることも、規律正しく使用するに於ては、ために一木一草を
損うことなくすむであろう。
そのことが、いかに、純情、無垢な彼等の明朗性を
損うことか分らないのみならず、真の勇気を阻止し、権力の前に卑屈な人間たらしめることになるのであります。
伝中殆ど滑稽に近い時代錯誤や場所錯誤が続出するが、予は原文の時代色を
損ふまいとした結果、わざと何等の筆削をも施さない事にした。
勝「ヘエー、それは何うも済まねえ訳で、本当に何うも見
損った奴で」
そしてその
損は一人の人間に取っても、一つの時代に取っても、又それが一つの国民である際でも、決して小さい
損ではないと言うのである。