ただ彼の知っているのはこの舎衛国の
波斯匿王さえ如来の前には臣下のように礼拝すると言うことだけである。
水際の蘆の間には、大方蟹の棲家であろう、いくつも円い穴があって、そこへ
波が当る度に、たぶりと云うかすかな音が聞えた。
人の身の丈よりも高い高粱は、無二無三に駈けてゆく馬に踏みしだかれて、
波のように起伏する。
殊に三角の
波の上に帆前船を浮べた商標は額縁へ入れても好い位である。
海賊と
波濤とを敵とせる伊勢平氏の子弟にして、是に至る、誰か陶然として酔はざるを得るものぞ。
彼はそれから独り海辺へ行つて、彼等を乗せた舟の帆が、だんだん荒い
波の向うに、遠くなつて行くのを見送つた。
此日は非常に霧が深く其上昨夜来の大風は未静まらないで
波は三十呎程も高く艦の進行には頗困難であつた
嘘なら、方々の井戸へ唾を吐いて、悪い病さへ流行らせれば、大抵の人間は、苦しまぎれに当来の
波羅葦僧なぞは、忘れてしまふ。
ふだん云つて聞かせる通り、自殺などをしたものは
波群葦増の門にはひられないからね。
海は銀泥をたたえたように、広々と凪ぎつくして、息をするほどの
波さえ見えない。