「中入りが
済むと、もう一度いつもの芸当をごらんに入れるか、忌だ、いやだ。
財産がのうても、亭主の心掛がよかったら一生苦労せいで
済むけにな。
老人が得意の劇評は滔々として容易に尽くるところを知らざる勢いであったが、それがひとしきり
済むと、老人は更に話し出した。
つまりは顔でも切る代りに髷を切るのだから、大難が小難で
済むようなものですが、昔の人間はそうは思わない。
いつもの座敷へ通されて、年頭の挨拶が式のごとくに
済むと、おなじみの老婢が屠蘇の膳を運び出して来た。
ものごとが凡て、原則どおり単純に行って
済むのなら世の中は案外やさしいものです。
明日の授受が
済むまでは、縦令永年見慣れて来た早田でも、事業のうえ、競争者の手先と思わなければならぬという意識が、父の胸にはわだかまっているのだ。
天災地変の禍害というも、これが単に財産居住を失うに止まるか、もしくはその身一身を処決して
済むものであるならば、その悲惨は必ずしも惨の極なるものではない。
主人「ナニ無沙汰の事は何うでも宜い、が、其の大金を取って横山町の横と云う字にも足は踏掛けまいと誓った伊之助が、若の許へ来て逢引をしては
済むまいナ」