二人は宿を取ると、すぐ
港を警衛している役人たちに会って、それとなく黒船の様子をきいてみた。
ただ阿媽
港にいた時分、葡萄牙の船の医者に、究理の学問を教わりました。
一体どこへお出でになる御心算か知りませんが、この船がゾイリアの
港へ寄
港するのは、余程前からの慣例ですぜ。
この伊留満の一人に化けられたと云ふのは、正物のその男が、阿媽
港か何処かへ上陸してゐる中に、一行をのせた黒船が、それとも知らずに出帆をしてしまつたからである。
今日はふだんとちがつて、君が近々に伊豆の何とか云ふ
港から船を出して、女護ヶ島へ渡らうと云ふ、その名残りの酒宴だらう。
この
港の工事なかばなりしころ吾ら夫婦、島よりここに移りてこの家を建て今の業をはじめぬ。
舟の進むにつれてこの小さな
港の声が次第に聞こえだした。
近所は、
港に舫った無数の廻船のように、ただぎっしりと建て詰んだ家の、同じように朽ちかけた物干しばかりである。