今もそのアパートはあるだろうか、濡雑巾のようにごちゃごちゃした場末の一角に、それはまるで古綿を千切って捨てたも同然の薄汚れた姿を
無気力に曝していた。
青年の
無気力が云々され、インテリ階級の頽廃が論ぜられるといふのは、結局「日本はどうなるか」といふことの不安に原因があるばかりではない。
騙詐が世渡り上手で正直が
無気力漢、無法が活溌で謹直が愚図、泥亀は天に舞ひ鳶は淵に躍る、さりとは不思議づくめの世の中ぞかし。
金助は朝起きぬけから夜おそくまで、背中をまるめてこつこつと浄瑠璃の文句を写しているだけが能の、古ぼけた障子のようにひっそりした
無気力な男だった。
金助は朝起きぬけから夜おそくまで背中をまるめてこつこつと浄瑠璃の文句を写しているだけが能の、古ぼけた障子のようにひっそりした
無気力な男だった。
紅殻が古びてい、荒壁の塀は崩れ、人びとはそのなかで古手拭のように
無気力な生活をしているように思われた。
美しいもの——と言って
無気力な私の触角にむしろ媚びて来るもの。